間違った痩身・部分痩せは、健康を損なう場合があります。医師の診察のもと、各々の患者様に適した方法を提案します。
脂肪はエネルギーの貯蔵所であると同時に大変重要なホルモン臓器といわれています。皮下脂肪は皮膚と筋肉の間に存在していますが、これが体形を決定すると考えても良いぐらいに影響があります。ですから余分な脂肪は取ってしまえという考えが生まれたと思います。先に述べたとおり脂肪組織は適当に取ってしまえる組織ではありません。
脂肪吸引術の場合、肥満の方はお断りします。肥満解消は摂取カロリーの制限と、運動によるカロリーの消費です。これ以外に体重をコントロールすることはできません。年齢や生活習慣で基礎代謝は変わります。40代の方が20代と同じ量の食事をしていれば必ず肥ります。普段、運動する習慣のない方は肥り易く、痩せにくいのです。
内臓脂肪は食事制限と運動ですぐに減ります。それに比して皮下脂肪は減りにくいのです。特に女性のお腹周り、腰回りはなかなか減りません。筋肉量の少ない方はエネルギーを消費する場所が少ないので、ますます体重が減りにくいのです。ですから、体形の維持は適度の運動と食事管理に尽きるのです。
それでも部分的に減らしたい。お腹・腰回り、殿部、二の腕、内股などはとれにくので何とかしてほしいと言われることが多いのです。
注意していただきたいのは脂肪吸引という手術です。小さな穴から細い管を皮下脂肪層に差し込んで脂肪を吸引するイメージで、簡単に考えている方がほとんどですが、実は侵襲(体のダメージ)が大きい手術なのです。そして、治療後に疼痛と硬結が続いたり、ガーメントを使用しなければならいなど知っていなければなりません。
また、安全に治療するために手術前の検査(血液検査、心電計検査、X線検査など)が必要です。既往症がある方はきちんと申告してください。糖尿病や心臓病の既往のある方の脂肪吸引術はできません。肥満でBMIが25以上の方も当院ではお断りします。このように脂肪吸引術は治療制限の多い治療法で、治療後のダウンタイムが非常に長い治療だということをご理解ください。最近は比較的侵襲の少ない手術機器に移行しています。特に超音波を応用した体外式の皮下脂肪融解装置は、全くダウンタイムがなく、安全な治療機器です。
当院では以前より超音波皮下脂肪融解装置を導入しています。現在患者様の要望、治療部位によって2機種の装置を組み合わせて使用しています。どちらの器械も皮下脂肪減量効果を認めております。さらに効果を上げるためにEMS(電気的筋肉刺激装置)を併用しています。このEMSはただ単に筋肉を振動させるのではなく、筋肉を収縮させて脂肪エネルギーを消費させます。1週間に1回程度続けると効果的です。
飽食の時代、現代人が直面する肥満という問題解決の一助に超音波皮下脂肪融解装置とEMSによる効率の良いエネルギー消費をおすすめします。
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