医療は哲学だと思います。
ただ単にけがを治したり、病気を治すのであれば決まった治療方法の法則に従って作業すればいいかと言うと決してそんなことはありません。同じ病気や悩みを抱える患者さんでも患者さん一人ひとりは違った人間ですから個々の患者さんの生活習慣、環境、嗜好など色々な要素をお聞きしながら治療法を選んでいかなければなりません。決して画一的な治療法はないのです。
美容形成の分野も全く同じです。最近では気軽なプチ整形をはじめとして、メスを使わない療法が増えてくるなど、美容行為の一環として簡単に考えられがちですが、美容形成が医療であることを忘れてはいけません。ですから気軽さや簡単さばかりを語ってはいけないと考えます。全ての患者さんに同じ療法を用いて同じ結果が出るとは言えませんし、全てがいい結果につながるとは限らないのです。ですから、私は初めての患者さんを診察させていただくときには、まずその患者さんがどういう方なのか、身体だけでなく生活、習慣、性格などを含めてできるだけお話をさせていただきながら、その患者さん自身とその患者さんの悩みや希望をお聞きするように時間をとることにしています。そうしなければ、個々の患者さんに対して最適なオーダーメイドの治療法を選択することができないからです。
いたずらに診療費用を安くして多くの患者さんを次々に処理していくような姿勢では間違いが起こりかねないからです。ですので、私はできるだけ患者さんのことを理解して、継続的にその患者さんのことを診続けることで、いつでも相談に乗ってあげられるビューティーケア分野での「ホームドクター」になれればと考えています。ですので、患者さんには美容外科に偏らず医学的根拠のある説明を丁寧にさせていただき充分に納得していただいた上で診療に当たっています。時には患者さんの受けたい施術をおすすめしないこともあります。今の患者さんにとって必要な施術は決して「今だけよくなればいい施術」ではないと私は考えているからです。後になってよくない結果につながる恐れのある療法や施術はしてはいけない、というのが私の医者としての基本的な考え方ですし、それがホームドクターとしての私の責任だと思っているからです。
当院には他の美容形成クリニックで過去に診療を受けて思うような結果にならなかったり、失敗した方も多くいらっしゃいます。一般医療の分野では近年セカンドオピニオンやサードオピニオンを取る方が少しずつ増えてきていますが、ご自身の身体を守るためには時には必要なことですので、診察結果に疑問や不安がある場合にはどんどんそういう動きをしていくこともご自身の身体を守るためにいいことだと考えます。
しかし、私のいる美容形成の分野ではまだまだそういう動きをする方が非常に少ないのが現実です。残念なことに、失敗してみてはじめて他の医者に頼る、という方が大半なのです。
ろくにメスも持てなければ手術もできない若い医師が自分のできる範囲の簡単な施術一辺倒でやっているというケースもあるのが現実ですから、もし今かかっている美容形成クリニックの診察や療法に不安を感じる方がいましたらセカンドオピニオンだけでも結構ですので、当院をお訪ねください。それは決して失礼なことではありません。あなたの身体を守るのはあなた自身にしかできないことですから。
私の専門分野は形成外科です。脳外科、眼科、耳鼻咽喉科、外科、整形外科、皮膚科、内科などあらゆる科の先生方と仕事をしてきました。えっと思われるかも知れませんが精神神経科の先生とも。
各科またがる領域の機能と形態の修復に携わってきました。大学病院での仕事を離れた今、形成外科・皮膚科の延長線上にある美容医療が主たる仕事です。
高齢化社会を迎えた今こそ必要な医療です。
心身ともに元気に溌刺と、生活する。今まさに求められていることです。
このお手伝いをするのが私の仕事だと思います。
最後になりますが、変な表現かもしれませんが医者と患者も出会いだと思います。医者だけが優れていればいいのではなく、お互いに理解し信頼しあうことで、いい関係を作っていくことができれば、いい診療ができるのです。
あなたといい出会いができることを私は待っています。